2012/05/12

【後書き】巡るは季節-4

さて、4話が投稿されました。


時代は3話から下りまして、明治です。作中では明言していませんが、明治維新かなぁと印象づけるような言葉や、場面を挿入したつもりです。たとえば、作中では長野・開智学校や、大阪紡績会社の機械制紡績工場をモデルにしたシーンが出てきます。
作中で計画されている結界とは「博麗大結界」のことです。まだ、完成はしていないようですね。はてさて、どうなることでしょう。それは次回のお楽しみという事で。


3話までに登場した巫女は、博麗神社にとって最初(=初代)の巫女ではない設定なのですが(1話の村人の会話からそのことは分かります)、「幻想郷」という結界によっていわば隔離された世界になってからは初めての巫女なので、面倒ですから以降、初代巫女と呼びます。ついでに、4話から登場する巫女を「明治巫女」と名付けておきましょう。ややこしや。


紫が明治巫女の事をどう思っているのか?なかなか難しい問題です。今の所、紫は明治巫女に対して、「貴女は初代巫女のうまれかわりかもしれない」という話はしていません。話した所で、「あ、そ」で済まされる事が怖いのかもしれません。巫女の輪廻(巡り合わせ)に囚われているのは、紫であって、巫女そのものではないからです。明治巫女は初代巫女の記憶を引き継いではいません(おそらく)。紫としても、恋する人の向こうにだれかの影を重ねたくはないと思っています(保守的な観念かもしれませんが)。でも、明治巫女に対する恋のきっかけとなったのは、間違いなく初代巫女の面影(ほくろ、性格、能力)であって、その共通点の多さから、重ねたくなくとも、重なってしまうので、紫としてもつらいでしょう。その気持ちは一部、幽々子に吐露しています。・・・もしかしたら、そういう葛藤を含めて、400年ぶり(現代から見て、初代巫女が500年前の人、明治巫女が100年前の人なので)のことですから、実は、葛藤や恋心そのものを楽しんでいる自分が紫の中にいるのかもしれません。

初代巫女と明治巫女の違いですが、実は髪の毛の色が若干違います。初代は青みがかった色、明治は赤みがかった色をしています。本当は顔立ちで描き分ける事も出来たら良いのですが、そこまでの技術は今の所無いので・・・。


さて、明治まで時代が下り、紫は再び、ほくろをもつ巫女に出会いました。紫は今の所、表面上は平静を保っていますが、どうなることでしょうね。そのあたり、また次作で描けたらと思います。


以下、3話のコメントについて

02:18 >つるっぱげしかいないw
すいません。遠くのモブを描くときは面倒なので、髪の毛を省略したのです。彼らも近くで見るとはげてないです。ちなみに、3話の大工さん達は全員つるっぱげです。問題のシーンも画面右側は大工さん達なので、つるっぱげでいいのですが、左側は村人達なのではげてないです。

03:53 >司馬遼太郎ktkr など
「坂の上の雲」という言葉がたくさんの反応を呼びまして、びっくりしました。NHK効果でしょうか。司馬遼太郎の坂の上の雲は私が高校のときに読んだ本でしたが、同級生とかの知名度は低かったのですが・・・。面白いので、一読をお勧めしますが、なにせ文庫で8巻ですから、分量が多いですね。ちなみに、「坂の上の雲」という単語は次の物語が「明治」を舞台としていることを暗示させたくて使いました。

08:17 >紫の冬眠って、これから始まったんじゃね?雪を見たくないから。
初代の幕引きを考えるにあたって、冬を選んだのは、本当の所、なんとなくなので、そこまで考えて、冬を選んだ訳ではありません。ですが、紫が部屋に閉じこもっているシーンを描いている時、同じようなことを考えていたりしました。ちなみに、私は紫の「冬眠」というのは単に冬は寝る時間が長い、程度に考えているので、本格的な冬眠は想定していません。


では、さっそく第5話の制作に取りかかります。それではまた、次回。5月中に投稿できたら良いですね。

2 件のコメント:

  1. 動画投稿楽しみに待っておりました。
    時代背景が1900年代になったということで当時の日本は戦争を経て帝国主義へと変わっていく時代ですね。日本自体の流れが西洋化するにつれ、古きもの達が消え去る時代でもあるかもしれません。岡倉天心の「茶の本」など古き良き日本を維持したい、本当の日本の良き文化を残したいという葛藤と対立が少なくともあった時代だと思います。そんな時代では妖怪や幽霊といった者たちはとても住みにくい、人間たちは今の自分を保つので精一杯になり相手にされなくなってくるものなのだろうと感じました。紫が焦る気持ちも当然なのだと思います。
    動画が投稿され嬉しくなり、こうコメントを残しましたが、やや話が脱線してしまいました、申し訳ないです。
    次の動画投稿までゆっくりと見直させていただきます。
    時節柄、お風邪など召されないようお気をつけ下さい。

    返信削除
  2. コメントありがとうございます。

     明治になって、西洋の文明が導入されて、妖怪という不可思議なモノを否定する世の中になっていくだけでなく、やはり、人が「坂の上の雲」を目指して駆け上がっていった時代というのは、妖怪の入り込む余地が少なく、生きづらいのだと思います。それは初代巫女のいた、戦国時代もそうでしょう。

     動画では十分な説明を登場人物達がしゃべってくれないので、わかりにくいと思います。もし、なんのことやら分からなければ、ブログのコメント欄やtwitterなど、お気軽に質問してください。

    返信削除