あとがき
秋に限らず、季節の変わり目をどういう風にとらえるかについて、一番好きなのが藤原敏行の
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
という歌です、個人的に。さらに個人的なことを言えば、季節の移り変わりにあわせて、私の鼻は過敏に反応して鼻水を放出してくれます、いらないですが。2010年は彼岸の季節に寒冷前線が南下して、日本各地で急激に気温が下がりました。それまでは連日30℃をこえる夏日が続いていましたが、急に10℃近く気温が下がり、体調を崩された方も多いと思います。
藤原敏行のこの歌は高校のときに習われた方も多いと思います。「来ぬ」をどう発音するかで意味が異なりますので、「こ」と読むと「まだ」の意味になります、なつかしい。カ行変格活用だったっけ、そんなのはどうでもいいのですが、要は敏行は秋がきたことを改めて、感じている訳でしょう、きっと。今回の作品では、カナコ様が秋を伝えようと秋風を起こす訳ですが、彼女自身にも、日差しの弱さに気づいてもらいました。画力の決定的な不足により、夏の日差しと、秋の日差しをかき分けることはできませんが、本当はそれが描きたかった。夏の日差しによってできる木陰の陰影の輪郭の鋭さは秋になると失われて、優しい、濃淡の曖昧な線になりますよね。あれです。
残念なことに藤原敏行の様に風の音で秋を感じるほど文化人ではないですが、そんな風流な人がいたこと、その感覚を養いたいし、そういった風情があることを知っていただけたらと思い、初投稿のあとがきとします。
きっと後(一年後とか)で見直したら赤面するんだろうなぁ。
はじめまして。potともうします。
返信削除たまたま動画みつけて、とても気に入りました。
あなたの描く幻想郷の情緒や趣が、とても沁み入ります。
この「秋の訪れ」。モチーフとなっている藤原敏行の短歌は、高校で習って以来好きなものだったので、それを幻想郷を通して描いた動画に出会えて嬉しいです。
これからも、動画楽しませてもらいます。頑張ってください。
potさん、コメントありがとうございます。
返信削除今になって見返すと、面白いけどまだまだ至らぬところが多いのも確か。これからも精進して、よりよいものを作って皆に楽しんでもらえるよう、がんばりますので、応援のほど(コメントやら、マイリストやら)よろしくお願いします。