幻想的な雰囲気を醸し出している凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)作:
心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花
実は、この歌は以前から知っていたのですが、作者は知りませんでした。なんだか、小野小町のような印象があったのですが、気のせいですね。たしか、古典の辞典に子規によって批判的に評価されていた記憶もあるのですが、これは間違いではなかったようです。と、いろいろ間違いを含むにせよ、印象深い歌であったので、記憶には残っています。そして、これを下敷きに話を作ってみました、と、いうか話はなんのひねりもないわけですが。子規が指摘しているように、非常に幻想的な雰囲気を持つ歌であり、写実性に欠けますが、そういったことを想像できる作者に脱帽です。後は、初霜はさすがに日が上れば消えてしまうだろうなとか、小さな想像力をつかって、話を作りました。
さすがに画力がない以前の問題で想像力が欠けるために、白菊に初霜が降りて、白い世界が広がる様子をうまく描写できませんでした。うーん、白菊に初霜がおりているシーンだけ白黒にするというアイディアはあったのですが、うまくかけずに挫折しています。イメージとしては水墨画の幽玄の世界(長谷川等伯の松林屏風図とか)、ぼんやりと浮かび上がる世界かな。
前作とほぼ同時進行で作っていたために、連続投稿のような形をとりました。次からは一から起こしていく予定ですので、すこし間が開きます。
0 件のコメント:
コメントを投稿