2014/12/06

後書き 【ピアノのある風景】

11月に投稿できるといったはずが、なぜか12月になってしまいました。スミマセン。


 さて、これにてピアノのある風景、お終いです。幻想郷での録音に協力してくださったunderdogさんにはこの場を借りてお礼申し上げます、ありがとうございました。


・・・さる情景。

 夕暮れ時の深い 光の濃淡のなかでふとピアノの音が聞こえ、その調にさそわれて路地をゆけば、茜色に染まった教室で誰かがピアノを弾いている。夕日に照らされてピアノの角が眩しく光る。少女の影に気づいた彼女がふと手を止めて・・・


 そんな情景が描きたかった、描きたかったのです。・・・描けたかどうかはわかりません。光を描くのはとてもむずかしいですね。夕暮れ時のあの柔らかく朱色に染まった世界も、日が山の端に隠れて残光が残る青い世界も、とても美しいと思います。低く射す様な光が明かり取りから漏れてある点を温めている様子は素敵ですね。

 後書きらしいことを書くとするならば、霊夢さんを登場させると、他の登場人物を喰ってしまいますね。別段、霊夢さんに思い入れがあるわけではないつもりなのですが、彼女の持つ独特の雰囲気が周りを呑んでしまいます。なんだろうこの感じ、謎ですね。・・・ミステリアスな女性は素敵です。
 ピアノはこうして、寺子屋でいろんな人に弾かれる運命をたどりました。このお話はここ終わりますが、この風景はきっと続いていき、いろんな物語を作っていくのでしょう。それはきっと素敵なことだと思います。夕日の差し込む学校とピアノの音色がもたらす出会い、というのにふと懐かしいあこがれを思い出した李花尺なのでした。

2 件のコメント:

  1.  投稿お疲れ様でした!
     ピアノのある風景、楽しませていただきました。こういう流れはやはり李さんだなぁと思います。屈んでいる少女のカットへの移り変わりには何故かドキッとしてしまいました。はっきりとした理由はわかりませんがw。ここが「狙い」だとしたら、完全に術中にはまっていますねw。

     この作品を見て思ったのは、「ピアノのある風景」というのはなんだろうか、ということです。自分はピアノを習っていたのでピアノのある風景というのは馴染み深いのですが、いやそれとは何かが違うような…とw。
     それはおそらく、上記にあるようなあこがれの混じったノスタルジックな風景なのでしょう。かつてノスタルジックの名手と言われた大林監督も、映画「さびしんぼう」でピアノを印象的に使っていました。放課後の音楽室で、夕暮れの中ピアノが聴こえてくる。美しくて切なくて、懐かしいですね。
     この物語の中のピアノも、そういった美しい風景を作っていくのだと思います。もちろん早苗さんや子どもたち、そして奥で目を細めて微笑んでいる慧音先生もその情景に溶け込んでいるのでしょう。ああ、見てみたいw。幻想郷に行きたいw。

     今回も、良い時間をありがとうございました。

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  2. クズマさん。
    仰るとおり、「あこがれ」という色眼鏡をかけて私はピアノを見ていると思います。でもピアノは決して教会の荘厳なパイプオルガンのような特別なものではなくて、身近である。身近であるからこそ憧れるのかもしれません。ピアノとはけっして特別ではないけれど、そこにちょっと違う雰囲気を作り出してくれる存在ではないでしょうか。

    あのピアノがある優しい風景、私も行って見てみたいものです。

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