思い
今回の動画は特に明瞭なコンセプトがあったわけではありません。さとり、こいしのペアにパルスィを混ぜたらおもしろいだろうな、と思ったのがきっかけです。
さとりはこいしがわからない、こいしはさとりがわからない、というごく当たり前のすれ違いが存在するというのは、二人にとってあまり触れたくない事柄の様な気がします。さとりは相手を読むことが能力だから、それを否定されるわけですから。こいしのほうは、さとりが自分をどう思っているかしりたいが、それを読むことは出来ない。また、姉と同じ能力を封印し、無意識を操る能力を獲得したことで、人の気持ちを推し量るふつうの力も衰えていると妄想するわけです。
今回は、こいしは姉のことを純粋に思っていることを仮定しました。でも、結構、これって重要だと思うんですよね。妖怪や妖精というのは基本的に発生する物であって、それぞれは独立していると考えます。だから、「姉妹」という「他の妖怪」との関係性は非常に珍しく、価値のあることだと思うのです、彼女らにとって。だから、大切にしたいという感情は強くあるのではないでしょうか。もちろん、幻想郷には、ほかの姉妹も出てきますが、どちらにせよ、個人的にはそういった関係性のある妖怪や神様はお互いを大切にしていると考えています。特に、さとり、こいしは元はほぼ同じ能力を有していたと考えれば、非常に珍しい妖怪だし、なおのこと、姉妹であることは重要な要素だと思うのです。ですから、基本的に作中では、すれ違いや、複雑な心境もありながらも、お互いは大事に思っています。
「妹ですもの」
さとりのこの発言は、けっして妹であるという事実だから、ではなくて、こういった妄想が背景にあったりしました。
パルスィですが、パルスィを中心にして物語をくむのもおもしろそうだなと思っています。ただ、一話完結の短い話では、彼女(?)のおもしろさは十分には表現できなさそうです。彼女は相手の優れた点に対して妬むことはあっても、そのすべてをねたむことはないだろうな、というのが、現在の彼女に対する考えです。もちろん、最初はこの世すべてが妬ましい状態だったかもしれませんが、それはどうやらちがうだろうと気づいていくはずです。今回はその一端を描いたわけですので、実は、今回の動画はさとり、こいしのすれ違いのはなしと、パルスィの成長(?)のはなしと二兎を追っかけようとした、強引な作品であったりもします。
次回は、前回の色の話の続きを少ししようかな、と考えています。では。