2013/08/05

雑感 返信


いつも動画を見てくださっているIsさんにブログを読んでいただいて、昨日、カッとなって書いた文章に痛い反論を食らったので(こちら)ちょいと自己弁護を。。。

あ、まず、私は発酵食品は好きですし(なれ鮨とか)、自分の手で伝統的な発酵食品を作る事に嫌悪感を持っている訳でもありません(実家の漬け物が最高だと思ってますよ)。あと、伝統的な方法に対して疑問を呈している訳ではないです。ちゃんと断ってなかったのでわかりにくかったかもしれません。


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リスク回避
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Isさんの言うように、リスクというのは回避する手段があります。人間の五感もそうです。また、ぬか漬けなどの伝統的な発酵食品というのは、基本的にリスク回避のためのメカニズムが備わっています。ですから、現実問題として発酵食品による食中毒はあまり発生してないわけだと思います。私も、家で市販のぬか床やパン酵母を使ってぬか漬けを作るとか、パンを作るとかを否定する訳ではありません。で、私がリスクを指摘したのは自分でとった酵母をつかった時と酵母液です。発酵食品全体でみればそんなにリスクはないと私も思います。その辺、もうちょっと明確に書くべきでしたね。

自分でとった酵母。
まず発酵させるために酵母の「たね」をいれるわけですが、そのとき、「たね」が酵母ばかりだったらいいわけですが、オリジナルの酵母の場合、そういう状況であるかどうかは判断が難しい(もしできるのなら別ですが)。「酵母だと思っていたけど、そうでもないやつが結構いる」そういったものを加えれば、リスクというのは高くなると思います。もちろん、最終的にぬか床は酵母や乳酸菌でおちつくかもしれませんし、つくる発酵食品によってそのリスクは高くなりやすい・低いはあるでしょうけれど。

酵母液
割愛。なんで酵母の液か理解できないので。

なにかわからんものを加えたらどうなるかわからない、と思うだけです。
少なくとも買ってきたパン酵母やぬか床をつかうよりもリスクは高いと思いますがいかがでしょう?

もちろん、経験を積めば悪くなる兆候などもつかめるでしょうし、そのリスク回避さえしっかり把握していれば、科学的な知見からみた一般的なリスクは回避できる、という主張に対しては異議はありません。私としても十中八九失敗するような書き方をしたのがいけないのですが・・・。

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滅菌
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まぁ、滅菌という言葉に過剰反応したと思って、許してください。私も「滅菌」が必要だなんて思ってませんよ。それがどんなにめんどくさいかも知ってます。一応、微生物を扱う研究室の出身なので。


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優秀さ
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>ここでも人間に害をなす細菌の繁殖というリスクの指摘がありますが

ん?優秀かどうかのはなしでは細菌の混入は触れてないとおもいますよ。ま、それはおいておき、「いろんな生物が関わる発酵によって良い製品が出来る」という主張については全面的に賛成です。それを否定する根拠もないです。
 想定していない細菌による想定していない効果・・・というのは「よくわからないマイナーな細菌・酵母による、単一の酵母ではだせない独特の風味」ということですかね。

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最後の部分
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細菌が繁殖してないから食えない、とはさすがに言ってない気がするのですが・・・。害がある可能性を強調しているとはいえ、良くなる可能性も否定していないですよ。また、私の文章で主に述べてきた「オリジナル酵母」や「酵素液」の現実を私は知らないので、どういった現実があるのか、私の思った事は現実とどう乖離しているのか、ぜひお聞かせください。




4 件のコメント:

  1. ちと書きすぎましたかね……申し訳ない。悪い癖なのですけど、きっかけ(この場合は李花尺さんの記事)から始まって、それまで小耳に挟んだ別の意見に言及して発展してしまうことがあって、しかもそれを元記事の内容のように読めるように書いてしまうことがああります。もし今回そうであったならごめんなさい。

    僕が言いたかったことは、李花尺さんの理屈は科学的ではあるけれど、「発酵食品」として語るには過剰な「正しさ」であるということです。現実はもう少し緩いですよ、ということ。それが現実との乖離です。

    理論で言えば必ずリスクは検討すべきなのですが、なぜか現実は上手く行っている。現実から逆算すると、有害な細菌の繁殖をというリスクを無視出来る状況も作り得る。「滅菌」すべきかどうかと現実の製造環境とのギャップですね。なぜそうなるのでしょう?それが発酵の奥行きです。そしてそこが科学として面白い部分でしょう?第一にリスクへの配慮が来ない現実はあり得る、それが理論と現実との乖離です。

    言い訳:二人ともきちんとしていなかったのは、流されるように「発酵」「酵母」「酵素」と言いたがる輩と、伝統的な発酵手法とを区別せずに書いたことではないでしょうか。ただ、そういう軽薄な健康主義も個人が検証を重ねることで修正していける(例えば冷蔵庫で発酵を促そうと思っても腐るだけだと理解出来る)、そう考えています。それこそが発酵の歴史だと思うから。

    そう思ってやってみた昆布発酵は案の定、ダメそうです。あんなん、昆布だしの濃いめのヤツになるしか無いに決まってんじゃん。ええ、解ってた……

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  2. 「書き小慣れていない文章書いてるなー」と、前の
    記事を読んで思ってたら案の定。やはり混乱しましたか。
    まぁ混乱が、感情的モツレにまでならなくて安心しました。
    (いつもこのブログを楽しみに読んでいますんで)

    横から失礼致します。

    ちょっと確認したいのですが、李花尺は何を問題
    としていたのでしょうか?
    いや、実のところ前の記事を読んだ際に「何かの記事対して
    言いたいことはあるんだな」とは分かるのですが、
    肝心の突っ込む先の内容の説明がが書いてなく、
    ただ単にずらずらと
    指摘だけが書いてあったので読んでいる方
    からして非常に当惑しました。
    (「あー、こりゃ頭に血が上ってる人の書き方だな」と)

    前の記事の指摘から、指摘先の内容を再構成するに、
    「酵母液や発酵食品は健康によい!そして手作りできる!
    家庭菜園のようにレッツ簡単手作り!」な感じの脳天気な
    (雑誌のスペースを埋めるための安易な感じの)
    記事に対して、
    「細菌舐めるな。そんな簡単なものではない。素人が下手に
    手出しすると食中毒になる危険性もある」と指摘したかった、
    これであってるでしょうか?
    (指摘先の文章が書いてないので、
    こちらとしてはこう想像するしかないので)

    ということを前提にお二方のレスを目を通すに、
    係争点は次の三点であり

    ・生物たる発酵食品を相手にするのならば、
    それなりの知識が必要だ(本題)には双方とも同意している。
    ・ただし、専門用語の使い方の使い方に一部問題がある
    (双方ほぼ同意)
    ・リスク説明に置いてリスクの部分ばかり
    強調されていて公平性に欠ける(is氏の問題提起。)

    まずは、本題については誰も疑義は
    はさんでいないのでご安心下さい。
    読んでいる限り、問題になっているのは三番目の部分です。

    そして次に読んでいて思ったのですが、
    李花尺さんの前の記事は本題に対して無駄な部分が多すぎ、
    必要な部分が抜けてるように思えます。
    それが今回の問題のタネになってると思います。

    「DHMOジョーク」というものをご存知でしょうか?
    (是非ぐぐってみてください。面白いですよ。)
    これは、身の回りにある何の変哲の無い物を、
    事実だけを用いてさぞ危険なものかのように
    他人に思わせる科学ジョークの一種なのですが、
    それが前回の李花尺さんの記事と非常
    によく似ているんです。
    このジョークの肝は、危険性のある事実
    ”だけ”を書く部分にあります。
    その危険性の回避方法を書かないので、
    このジョークに初めて触れて頭がカッと
    (あるいは血の気が引いてサーッと)なった人はそれを
    現実の(現実ではある)、非常に蓋然性のあるリスクと捉えて
    しまいます(通常は対処が容易なので蓋然性は低い)

    「発酵は微生物が介在する活動。自然界には
    多様な微生物がおり、それらは人間にとって有益
    でもあり、有害でもあるのでその運用は慎重に。
    知識のある友達やプロの指導の下、
    知識をつけながら楽しくやりましょう。」
    と、「リスクとその低減・回避方法」両方を手短に
    書けばいいものを、そのリスクの部分だけ必要以上に
    長々と書いて、そのリスクの回避方法を殆ど書かなれば、
    そりゃその道の人間がその文章を読めば「なんだこの野郎」と思うのは当然ですよ。
    (車の存在を知らない森の部族の人に、無免許運転の
    危険性を長々と説明して、事故を避ける為の免許制度や
    交通法規、車の有益性の説明をしなかったら、
    普通の人は「反自動車団体の人間か何かか?」と訝しむでしょ?)

    んでもってその道の人間は反発はするけど、
    個々の言っていること自体は事実(ただし、
    組み立て方に難あり)なので上手く言葉にできず、
    感情的モツレや、微に入った細かい部分の指摘と言った
    本題とはあんまり関係のない方向に斜め上に発展していく。
    (専門知識についての教育を受けた人間は多いけど、
    込み入った話や議論が混同・混乱している時に
    それに気づいて対処する方法を学んだ
    人間は殆どいない。実に悲しむべきことだ。)
    何処の専門領域でもよくある話です。
    いや、本当に。

    お二方は未だに実に冷静で、今まで本題に
    関係ない粗末な問題で感情的に大炎上してきた
    事例を見続けた者としては実に感嘆とします。
    日本もまだまだ捨てたものではありません
    (いや、本当にネット上では本題に関係のない部分での
    つまらん炎上が多くて多くて。嫌になってた)

    しっかし酵母液ねぇ。
    そんな強烈な生ワクチンのような液体を、しかも自家製して
    飲んでいる人がいるとは。いやはや、世界は広いですなぁ。

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  3. >ISさんへ。

    白状しますと、twitter上でISさんが昆布酵母の話をしておられて、「ん?なんぞ?」と思って、その単語をgoogle先生に聞いて、得られた回答(トップヒットとその下ぐらいかな)、なんじゃこりゃ、と頭にキたのが例の記事の発端です。多分、ISさんも多少、急に私がこんな事言い出した原因についてなんとなく察しておられたのだと思います。
     あら、昆布酵母だめですか?う〜ん・・・。ところで冷静になった後、とりあえず昆布酵母がだいたいうまくいくためにはどうすればいいかなぁ、と考えてみました。どうしても水分活性が高すぎるので、制御は難しいと思うのですが、まず昆布をぬか漬けしてから、瓶詰めしたりすれば、どうかなぁと思ったり。ともかくも最初に有用な連中、方向性を定める連中がある程度いないと、難しいと思うのですが、どうでしょう?気にならない程度のお酒やお酢を入れるのもありかもしれませんね。それで細菌の選別が出来てかつ酵母がうまく残るかどうかは分かりませんが・・・。


    >匿名さへ。

     いやはや耳が痛いですね。仰るとおりです。すこし上でも述べましたが、ちょっと調べてみたら、頭にくる箇所がところどころあって、そこできちんと明示して具体的に話せば良かったんでしょうけど、ちょっとそこを伏せたがために漠然と全体的に批判しているような感じになりました。いやはや、ばれるもんですね。
     DHMOジョーク、知ってますよ。良くできてますよね、あれ。しかし、今読むと自分でも酷いエントリーですね、あ〜あ。
     一応は間違ってはいないので、私の毒のある投稿とISさんの記事を見ていただいて、自分で考えながら発酵ライフを楽しむのが一番ではないかと思います。

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  4.  おおまたしてもコメントが白熱している…というわけでコメントを。
     それにしてもあれですね、李花尺亭の常連さんは皆論客か理系知識人なんですかね…w。自分はこういう知識はないのでとても楽しく読めました。自分の専門なりなんなりの分野で「…ええ~」と思うことがあると反論したくなる気持ちはとても分かりますねw。
     それにしても「理論と現実は違う部分がある」という意見を見るに、発酵系の分野はそんなに「失敗」がわかりやすいんですかね…。例えば失敗して見るからにこれは腐ってる、となるとそれを口に入れることはないでしょう。でも見た目ではわからず成功している、と思って口に入れて死ぬことが多々あるとすれば、そういう分野は危険すぎて進歩しないのではないかと。特に理論的根拠を見つけづらい時代であれば発展しにくいと思うのです。でも過去には発見のためにひたすら無茶をした人もいますし、一概には言えないのかもしれませんね。ぬか漬けの歴史にも多くの屍がいるもかも知れません。
     理論的根拠が無い、と言えば精神系の漢方薬はほぼ理論的・科学的根拠がないです。なんか知らんけど効きます。場合によっては一部の化学薬品より効きます。意味がわからない…。精神系を脳科学だけで説明するのはやっぱり無理ですね。
     発酵液も作成者が効くと思ってたら効くのかもしれません。「わしの長生きの秘訣はタバコとコーヒーじゃ」と知り合いのおじいちゃん(92)が言ってましたし…。いやこれと比べるのはかわいそうな気がしてきたw。
     自然(現実)と理論の整合は難しいですね。でも理論は人間の考える力!と思います。なので李さんの新しい雑感エントリーにも期待しています!

     そんなわけで一人だけあまり理論的ではない文章でしたが、また李さんの次作に期待して。それでは!

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