2014/05/10

禁色 その後

肌寒さが戻ってきて、今年は春が長いなぁとぼんやりと思っている次第です。
「春眠暁を覚えず」、良い言葉ですね・・・

 さて、先週は三島由紀夫作、「禁色」を読んでますよ、という話をしました。その後、ぼちぼちと読んでいまして(=新作の制作は滞ります)、先日読み終えました。さて、例によって読後は虚脱感が残ります。ちなみに私のぼんやりとした予想は裏切られましたが、違う意味で当たったような気もします。ま、これはどうでもよいのですが。さて、本作の主要な登場人物達はそれぞれが「完全性」を有しているわけなのですが、そのために全体として人工的な、抽象的なと申しましょうか、どこかガラス細工のような精巧さが感じられます。かといって、それが物語として不自然ではなくてむしろ当然であり、時折登場する「ありきたり」な人物との対比によってますますその完全性と美しさが際だつという、ある種、奇妙な納得感を抱かせるものになっていると思います。なんだろう、この表現のしにくさ。・・・興味があれば読んでみてください。

 さて、こうしてまた三島由紀夫の本が増えていったわけですが、実はすでにもう一冊の本がそのページを開かれるのを待っています。・・・ただし、三島由紀夫ではなくて、岩波から出ている「ドン・キホーテ」ですが。これはまたゆっくり読むことにします。5月中には次の作品がでる予定です。

それまで皆様も読書など、気長にお待ちくださいませ。

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