2011/07/24

後書き 【霊夢、夢の後】

 さて、今回は異色の設定を持ち込みました。霊夢が博麗の巫女をやめた後の話です。

 東方二次創作において、霊夢が巫女をやめるときは「死」の影が見え隠れするものです。しかし、巫女を穏当に卒業することも可能ではないでしょうか。それを描いたつもりです。


 本作では、博霊の巫女を引退した後、山裾の人寂しい場所に隠居しているところに魔理沙が尋ねてくるところを描いています。引退して2年たっていますので、状況説明的な会話を極力減らしてみました。以下、物語の途中に出てくるわかりにくい部分を説明していきますが、あくまでも私の解釈というか設定ですので、絶対的なものではありません。

 まず、最初、電線が空に消えていっていますが、あれはスキマ経由で電気が供給されていることを描きたかった。ですから、あの家は紫によって提供され、ある程度、近代的な生活が可能となっています。
 魔理沙が「もう二年か・・・」と述べていますが、これは霊夢の博霊の巫女引退からの年月を示しています。
 物語の後半で、魔理沙がなにやら庭先で「ぼふっ」とやってますが、あれは地面に魔法陣を書いて、家にあるキノコセットを転送しているところです。


ちなみに・・・

この物語では霊夢に焦燥や不安や澱が溜まっている様子は描かれていません。が、私はこの後、霊夢が「生」をどう全うしていくのか、気になって仕方がありません。ただ、それは苦しくて描くことが出来なさそうです。




追記:
夏に対して思うことは、なにか寂しいという感情です。それは夏は「楽しいもの」であるべきだという脅迫から来るのか、虚無感から来るのか・・・よくわかりません。ただ、そんな感情が今回の作品の源流のひとつではあると思います。

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